ファイル
悪いのは自分のほうですか、相手のほうですか?
この問いを、声に出したことはありません。夜に、終わりきらなかった会話のあとで立ちます。答えは二つとも、もう頭の中にあります。片方はこちらを裁きます。もう片方は、変わらない相手と二人きりにします。
先に、いま連絡できるところを置いておきます。家のなかで起きていることが怖いときは、四つ目が先です。
いま危険が迫っている場合は、119番に電話してください。当てはまるかどうかを自分で判断する必要はありません。
よりそいホットライン、0120-279-338。24時間、どんな内容でも受け付けています。岩手・宮城・福島からは0120-279-226。
自殺予防いのちの電話、0570-783-556。毎日10時から22時まで。
家のなかで起きていることが怖いときは、DV相談+、0120-279-889。24時間受け付けています。そちらが先です。
ほかの相談窓口は、支援情報検索サイト shienjoho.go.jp/telsoudan.html にまとまっています。
先に二つ書いておきます。この記録は、どちらが悪いかを決めません。決められる立場にありません。そして、怖いかどうかは、この問いの答えとは別のところで決まります。上の連絡先は、どちらが正しいかに関係なく、怖い人のためにあります。
どうして日によって答えが変わるのですか?
月曜には、こちらが悪いことになっています。木曜には、相手が悪いことになっています。同じ出来事です。あいだに新しい情報は入っていません。
変わったのは材料のほうです。前の晩に眠れたかどうか。直近の一件が近いか遠いか。最後にした会話がどの温度で終わったか。三つとも、その日の答えの向きを決めます。三つとも、出来事とは関係がありません。
日で向きが変わるものは、答えではありません。
だから何年立てても決着しません。決着しない問いを毎晩立てるのは、怠けているからではありません。答えの出ない形の問いを、出るはずの形だと思って立てているからです。
判定に必要なものが、手元にそろっていますか?
配分を出すには、二人分の記録が要ります。手元にあるのは一人分です。
相手の側の三秒から七秒は、こちらからは見えません。見えるのは、それが閉じたあとに出てきた動きだけです。何が来て、何が走って、何が止まったのかは、その体の中で起きています。外に出てくるのは結果の側だけです。
[仕組み]
動きの三秒から七秒前に、体のサインが来ます。そのサインと動きのあいだが窓です。
窓は、それが走っている体の中で開きます。相手の窓は、こちらからは開いたことも閉じたことも見えません。
こちらの窓は見えます。見えるほうにしか、手は入りません。
見えていない欄を推測で埋めると、埋めた側の材料でその欄が決まります。夜に埋めると相手が重くなり、朝に埋めるとこちらが重くなります。埋めているのは相手の欄で、書いているのはこちらの体調です。
配分の代わりに、何が取れますか?
往復の記録が取れます。動きと時刻だけを、起きた順に並べたものです。
動機は書きません。動機を知っているのは片方だけで、書いた瞬間にそこは推測になります。動きは両方に残ります。言った。黙った。席を立った。電話をかけた。二時間返さなかった。玄関を閉めた。どれも、二人とも同じものを見ています。
[現場観察]
終わりきらなかった会話を一つ選んで、動きだけを順に書きます。だいたいの時刻を入れます。
理由と気持ちは書きません。書きたくなったら、行の右端に印だけ置いて先に進みます。
最後に、自分の動きの直前に体のどこが動いたかを、分かる行にだけ足します。
書き終えると、紙の上に自分の行と相手の行が交互に並びます。判定は出ません。出るのは、こちらの行がどこで先に動いたかです。それはこちらのものです。
怖い、が入っているときは、どうなりますか?
そのときは、これは順番の問いではなくなります。ここから先の話は、後ろに下がります。
怖さは、どちらが正しいかでは動きません。こちらが正しくても怖いことはあります。こちらの側にも直すところがあっても、怖いことはあります。二つは別々に成り立っていて、片方がもう片方を打ち消しません。
怖さは、どちらが正しいかでは動きません。
このページの上にある連絡先は、正しさを決めるところではありません。怖い人が使うところです。決める前に使えます。確信がなくても使えます。まだ何も起きていなくても使えます。順番として、そちらが先です。
この記録は、どちらが悪いかを言いません。言わないことが、ここで書けるいちばん正確なことです。
相手から「悪いのはそちらだ」と言われている場合は?
言われたことは判定ではありません。一つの読みです。読みには日付と条件があって、条件のほうはこちらの手元に残りません。
ここで確かめられるものが一つあります。自分の記録が、言われたあとに書き換わっているかどうかです。その場で紙に書いた行と、三日後に思い出す行が違っているなら、違っている、という事実自体が記録です。
[実地課題]
終わりきらなかった会話があった日は、その日のうちに動きと時刻だけを書きます。三行で足ります。
その日は読み返しません。三日置きます。
三日後に読んで、覚えている中身と紙の中身がどれだけ違うかを、一行だけ足します。
この作業は、相手がどういう人かを決めるためのものではありません。決めません。手元の記録を、書いた時点の形で持っておくためのものです。持っていれば、月曜と木曜で答えが逆になるときに、見に行くところができます。
この紙は、何のために取るのですか?
判定のためではありません。判定は、次に同じ会話が始まる木曜の夜には使えないからです。六対四でも九対一でも、その場で手に持てるものが増えません。
使えるのは二つだけです。体のサインと、そのあと自分が何をしたか。二つとも、こちらの体の中と、こちらの手の届く範囲にあります。二つしかないのは少なく見えます。少ないぶん、木曜の夜に持って入れます。
この書庫には九つのファイルがあります。名前は人ではなく形についていて、それぞれに体のサインと、三秒から七秒の窓と、その窓の中でできることが書いてあります。ここで一つを選んで渡すことはしません。往復の記録が四件たまって、自分の行に同じ動きが繰り返し出ているなら、開ける場所はたいてい自分で決まります。
そして、怖いのなら、この節ではなく上の連絡先が先です。ファイルは、そのあとでも遅くなりません。
このファイルに届く質問
悪いのは自分のほうですか、相手のほうですか?
この記録は決めません。決められる立場にありません。配分を出すには二人分の記録が要り、手元にあるのは一人分です。相手の側の三秒から七秒は外からは見えず、見えるのは閉じたあとに出てきた動きだけです。代わりに取れるのは、動きと時刻だけを並べた往復の記録です。
どうして日によって答えが変わるのですか?
材料が変わっているからです。前の晩に眠れたか。直近の一件が近いか遠いか。最後の会話がどの温度で終わったか。三つとも答えの向きを決めて、三つとも出来事とは関係がありません。日で向きが変わるものは、答えではなく、その日の読みです。
相手の側の事情は、どうやって知るのですか?
知りません。相手の窓は、こちらからは開いたことも閉じたことも見えません。見えていない欄を推測で埋めると、埋めた側の材料でその欄が決まります。夜に埋めると相手が重くなり、朝に埋めるとこちらが重くなります。書いているのは相手の欄ではなく、こちらの体調です。
往復の記録には、何を書くのですか?
動きと時刻だけです。言った。黙った。席を立った。電話をかけた。二時間返さなかった。理由と気持ちは書きません。動機を知っているのは片方だけで、書いた瞬間にそこは推測になります。動きは両方に残ります。
気持ちを書かないのは、無視することになりませんか?
なりません。置く場所を分けるだけです。気持ちは四つの動きが済んだあとに残る温度で、順番の一部ではありません。この紙で順番が見えるようになったあと、温度は別のところに書けます。順番の紙に混ぜると、行がどちらのものか分からなくなります。
相手が怖いときは、どうすればいいですか?
そのときは順番の問いではなくなります。このページのいちばん上に連絡先があります。決める前に使えます。確信がなくても使えます。怖さは、どちらが正しいかでは動きません。こちらが正しくても怖いことはありますし、こちらの側に直すところがあっても怖いことはあります。
自分にも直すところがある場合、怖いと言ってはいけないのですか?
二つは別々に成り立ちます。片方がもう片方を打ち消しません。この記録は、どちらが悪いかを言わないので、言わないまま両方を紙に置けます。上の連絡先は、正しさを決めるところではなく、怖い人が使うところです。
相手から「悪いのはそちらだ」と言われています。どう扱いますか?
一つの読みとして扱います。判定ではありません。確かめられるのは、自分の記録が言われたあとに書き換わっているかどうかです。その日のうちに動きと時刻だけを書いて、三日置いてから読みます。覚えている中身と紙の中身の差が、そのまま一行の記録になります。
何割どちらが悪いか、決めたほうがすっきりしませんか?
その場では軽くなります。次に同じ会話が始まる木曜の夜には、手に持てるものが増えません。六対四でも九対一でも、その夜に使えるのは体のサインと、そのあと自分がした動きだけです。割合はそのどちらにも書けません。
自分の側だけ記録するのは、不公平ではありませんか?
公平のために取る紙ではありません。届く範囲のために取ります。窓が開くのは、それが走っている体の中です。こちらの窓はこちらから見えて、相手の窓は見えません。見えるほうにしか手は入らないので、記録も見えるほうに寄ります。
この紙を相手に見せたほうがいいですか?
この記録は、相手に渡すために作られていません。動きと時刻だけの紙は、渡された側には並べ立てとして届きます。使うのは自分の側です。月曜と木曜で答えが逆になるときに、見に行くところがある、というのがこの紙の役目です。
どのファイルを読めばいいのですか?
ここでは選びません。往復の記録が四件たまって、自分の行に同じ動きが繰り返し出ているなら、開ける場所はたいてい自分で決まります。決まらなければ、紙のまま持っていて構いません。そして怖いのなら、ファイルより先に上の連絡先です。
入口
九つの記録は日本語でそろっています。どれを開けるかは、往復の記録が四件たまってから決めて構いません。怖いときは、その前に上の連絡先です。
日本語で読めるものを見る →9つのパターン · 4つの扉 · ひとつのファイル